社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

考えるばかりで止まってない? すぐに動ける人が決めてる【3つのライン】Photo: Adobe Stock

どの程度準備をしてから動き出すべきか?

世界を広げるために新しい挑戦をしようとしても、なかなか踏み出せない人もいると思います。

新しい挑戦にはリスクがともなうことが多いので、どの程度の準備をするべきかと悩むこともあるでしょう。

情報を集め、必要な道具を揃え、計画を立て……と、事前の準備を万全にしたほうがいいのか、必要最低限の準備のみで早めに動いたほうがいいのか、悩ましいですよね。

世の中には「とりあえず動け! 動かないと始まらないぞ!」と言う人も多いです。行動しながら必要なものを揃えていくことで本当に必要な準備が見えてくるというのも一理ありますが、頭ではわかっていても、やっぱり動けないときもあります。

そういうときは、「この程度準備できたら始める」という目安を決めましょう。

ポイントは、「失っても許せるライン」を決めること

大事なのは、「失ってもこのくらいなら許せるか」というラインを自分の中でしっかりきめておくことです。
例えば、私は以下の3点を意識しています。

失ってもいい金額(いくらまでなら勉強代と割り切れるか)
影響が及んでもいい範囲(自分だけか、他人にも影響が及ぶのかなど)
健康面での制限(一晩なり2~3日なり眠れば回復できるかなど)

具体的に言うと、

○万円までなら損しても勉強代だと割り切る(金額は年齢により変化しています)
失敗した際に、自分が損をしたり恥をかいたりするだけならかまわないが、家族や友人に迷惑をかける可能性があるなら慎重になる
死ぬリスクがあるのは論外。健康は大事なので、一晩寝れば回復できるダメージなら問題ないが、長期的に影響が及びそうなら再考する

の3点です。このように自分なりの基準を設定し基準を超えるリスクがない場合はスピーディーに行動し、超える場合には時間をかけて慎重に判断します。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。