自発的にやる仕事と強制された仕事では、結果が違ってくる
本田 当時のオリエンタルランドは、僕の書いた『あたらしい働き方』に出てくるような会社の従業員と、かなり近い働き方をされていたんじゃないかと思います。働いている人がエンターテインされているから、そこで働くことが向いている人には楽しくなる。
渡邊 マニュアルになかった自発的な活動も多かったですね。例えば、パレードコントロールに入ったら、終了後にユニットごとに反省会をやるんです。これが面白いんですが、問題点を指摘する反省会なんじゃなくて、今日はどんな感動があったかを共有し合う会なんです。
こんなことをしたら、こんな感動がやってきた。それを共有して、じゃあ明日は私がやってみる、となる。これが毎日、繰り広げられるわけです。
本田 すごいですね。
渡邊 それは見ていて面白かった。自分がどんな感動を得られたか。それを報告したくてしょうがなくて、みんな一生懸命に頑張るわけです。
本田 素晴らしいですね。誰かに言われてやっているわけではないわけですもんね。これが大きいんです。自発的にやる仕事と強制された仕事だと、結果が全然違ってくるんです。
渡邊 ディズニーの場合は、パークの中をオンステージと呼んでいるんですよね。そこに出て行くときは、舞台に立つ役者になりなさい、という意味なんです。スイッチを入れる場が用意されているんです。
本田 これは『あたらしい働き方』でも書いたんですが、仕事というのは苦しい顔をしてするものだ、という呪縛から、そろそろ逃れないといけないんですよ。だって、東京ディズニーランドで、辛そうにして働いている人はいないじゃないですか。
もちろん大変さもあると思いますが、それ自体すらも楽しんでいますよね。しかも、自分で新しい何かを起こそうとしている。だから、お客さんも感動するし、働く人もますます面白くなると思うんです。
仕事って、本来こういうものであるはず。ワクワクするものであるはず。そうでないと、いい結果は出ない。
渡邊 それを東京ディズニーランドは象徴しているのかもしれないですね。本田さんの本にもあったような、働く側がワクワクできるような器のようなものが、いろんな形で、もっともっと増えていくといいですね。
私の本はディズニーのマーケティングについて書いた本ですが、もし、その一助になれたなら、本当にうれしいです。
【完】
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