楽しく働ける企業といえば、世界で真っ先に名前が挙がる会社のひとつが、パタゴニアです。オフィスはカリフォルニア州のベンチュラ。環境に配慮した機能的なアウトドアウエアを作るメーカーとして世界的に知られている会社です。創業者イヴォン・シュイナードの著書『社員をサーフィンに行かせよう』(東洋経済新報社刊)は、アメリカでも日本でもベストセラーになりました。社内には、サーフボード置き場があるというパタゴニア。そんなパタゴニアのインターナショナル・マーケティング・ディレクターである藤倉克己氏にお話を伺いました。(撮影・編集部)

セルフマネジメントができる人には、
こんなラッキーな会社はない

本田 ご自身もサーフィンはおやりになるんですか?

パタゴニア・インターナショナル・マーケティング・ディレクター 藤倉克己氏(左)と著者。バックの小さな小屋から、パタゴニアははじまった。今でも本社裏に残っている。

藤倉 はい。アメリカにいたときは、長いときには2,3時間くらい入っていましたね。ミーティングをやっていても、“すごい波が来ている”と誰かが言い出すと、簡単なミーティングであれば延期になったりします(笑)。このくらいになったら上がろう、という約束だけして。それは社主のイヴォンも出ていた会議だったんですが、イヴォンも真っ先に海に飛び出していきました(笑)。いい波が来たサーフィンの後のミーティングは、集中したいいミーティングになります。ちなみに僕の面接会場も、海でした(笑)。

本田 本当に、自由度が高い会社ですよね。それゆえ社員に必要とされるものは何だと思いますか?

藤倉 責任と成果のコントロールを自分でしないといけない。それを周囲はしっかり見ています。だからセルフマネジメントできない人は最初から入れない、いなくていい。その代わりセルフマネジメントできる人には、こんなラッキーな会社はないですよ