東京ディズニーランドのマーケティング。今まで明かされなかった秘密を『ディズニー こころをつかむ9つの秘密』の中で詳細に描いたのが、渡邊喜一郎氏。新著『あたらしい働き方』が刊行されたばかりの本田直之氏とオリエンタルランドの、そしてこれからの「働き方」について語る、特別対談!
自由な、日本企業らしくない会社だった
本田 写真にも写っていますけど、その左手はどうされたんですか。
渡邊 最近、再びハーレーに乗り始めたんですが、これがまたクラッチが固い。それで、クラッチの操作し過ぎで筋を痛めまして(笑)。
本田 東京ディズニーリゾートがまだ更地だった頃に、通勤用に使われていた車が、まえがきのイラストで出てきますね。車やバイクがお好きなんですね。
渡邊 あの頃、トヨタのハイラックスの4WDが国内で出たばっかりだったんです。リフトアップされたものを、ホイールから上のロールバーやらアメリカから持ってきて装着、これを通勤車に使っていたんですよね。実はこれ、4ナンバーで、貨物車は通勤には使えない、と会社から怒られたことがあったんですけど(笑)。
本田 クルマ通勤は問題なかったんですか。
渡邊 私は入社時からクルマ通勤でした。当時の会社規定では、全く問題がありませんでした。オリエンタルランドは、当時はまだ200人ほどの会社でしたから。そこから一気に1000人、数千人と拡大して。アルバイトを含めると2、3万人にもなるわけですが。
本田 今はもう大企業になっていますが、渡邊さんがいらっしゃった頃は、なんとも日本企業らしくない、自由で、いろんなことができる会社だったんじゃないでしょうか。
渡邊 そうですね。いい加減なのもいましたし(笑)。
本田 いや、単にいい加減な人ばかりだったら、成り立たなかったでしょう。だって、あの東京ディズニーランドを作っちゃったんですから。
渡邊 いいものを作ろうという気持ちはみんな持っていましたね。それこそ、土曜日も日曜日も、面白いから会社に行っていましたし。