レバレッジ型ETFを「味方」につける賢い活用術

レバレッジ型ETFは、その特性を正しく理解し、適切なルールのもとで付き合えば、個人投資家にとって非常に心強いツールになり得ます。ここでは、その具体的な活用法をいくつかご紹介します。

相場の「初動」を捉えて短期決戦に持ち込む

経済指標の発表後や金融政策の変更時など、相場が特定の方向に大きく動くと予測できる局面があります。このようなトレンドの発生初期に投資し、数日から数週間で手じまうのが基本戦略です

短期で大きなリターンが期待できる反面、予測が外れた場合に備え、素早い損切りの決断も欠かせません

「コア・サテライト戦略」で攻めのスパイスに

自身の資産の大部分を、インデックスファンドなどの安定的な「コア資産」で固め、ごく一部の「サテライト(衛星)資産」でレバレッジ型ETFのようなハイリスク・ハイリターン商品を狙うのも有効です。

ポートフォリオ全体のリスクを管理しつつ、少額で大きな収益の上乗せを狙うことができます。仮にサテライト部分で損失が出ても、コア資産が全体の安定を保ってくれます。

下げ相場こそ「ベア型」の出番

レバレッジ型ETFには、相場の上昇で利益が出る「ブル型」だけでなく、下落局面で利益を狙える「ベア型」も存在します。市場全体が明らかに下降トレンドにある場合、多くの投資家が手をこまねく中で、ベア型ETFを短期保有することで、守りながら攻めるという投資戦略が可能になります

レバレッジ型ETFは「諸刃の剣」ですが、その切れ味を理解し、明確な目的とルールを持って使いこなせば、あなたの資産形成の選択肢を大きく広げてくれるでしょう。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。