【株価下落も利益に】「空売り」を使いこなす投資家の“ずる賢い”稼ぎ方
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)では、投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トレーダーが教える】「自己資金の3倍」を動かせる信用取引…ただし絶対に越えてはいけない“壁”とは?Photo: Adobe Stock

自己資金の3倍を動かすレバレッジ
賢く使えば、力強い味方に

信用取引を利用すると、投資額に対して最大約3倍の経済効果が得られることもあり、いい換えれば3倍のレバレッジを掛けることが可能だということです。

この方法を使って株式への配分を適度に高めることは悪くありませんが、信用取引はコストが高いことに注意が必要です。

見逃せない「金利」という名のコスト
期待リターンから差し引かれる現実

対象とする株価指数の変動に比べ投資収益が2~3倍などになるように設計されている通常の「レバレッジ型ETF(上場投資信託)」とは異なり、信用取引では証券会社から借りたお金で実際に株を購入しますが、投資額の2~3%程度の金利手数料を支払う必要があります。

一般的に、株式投資で長期的に期待できるリターンは6~8%で、ここから2~3%のコストを引かれるわけですから、影響は小さくありません。

それでも試す価値がある理由
暴走は禁物! 徹底すべきリスク管理

それでも手持ち資金が少ないなかで株式の割合を増やす手段として、信用取引を試みる価値はあります。

ただし、信用取引ではリスク管理を徹底し最悪の事態に備えて慎重なポートフォリオを構築することが求められます。

絶対に越えてはいけない一線
守りのための「3割」という安全ライン

間違っても全財産を信用取引に投じるようなことはしてはいけません。レバレッジをかける株式の割合は、最大でも全体の3割程度に抑えておくのが無難でしょう。

また、信用取引・先物は追証((追加担保の差し入れ義務))を要求されるリスクがあるという性質上、長期投資には向きません。