「メンタルが弱すぎる人」だけが知らない、たった6文字の心理用語とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「メンタルが弱すぎる人」だけが知らない、たった6文字の心理用語とは?Photo: Adobe Stock

努力が報われる幻想からの解放

「努力すれば必ず報われる」という考え方は、多くの人を励ましてきました。

 しかし現代社会では、この前提が必ずしも成り立ちません。
 心理学ではこれを「公正世界仮説」と呼び、人は無意識に「世界は公平だ」と信じたがる傾向があると説明します。

 本記事では、この「たった6文字」の幻想を手放すことの重要性を考えます

公正世界仮説とは何か

 公正世界仮説とは「人は努力すれば報われ、悪いことをすれば罰せられる」という信念です。

 この考え方は、安心感を与える一方で、現実を単純化しすぎています

 実際には、社会には偶然や不条理が多く存在し、努力がそのまま成果に結びつくとは限りません。

努力が報われない現実

 現代社会では、努力の成果を左右するのは実力だけではありません。

 環境、経済状況、人脈、運など、多くの要因が絡み合います

 努力しても成果が出ないことは珍しくなく、それをすべて自己責任にしてしまうと、自分を過度に追い込んでしまいます

 努力至上主義は、むしろ人を疲弊させるリスクがあるのです。

幻想を手放すことの意味

「努力すれば報われる」という幻想を手放すと、かえって心が軽くなります。

 努力が無意味だということではなく、「成果は必ずしも比例しない」と理解することで、過度なプレッシャーから解放されるのです。

 そのうえで、淡々と自分にできることを積み重ねていく姿勢が、長期的な成果を生みます

 公正世界仮説は、人を勇気づける一方で、報われない現実に直面したときに大きな挫折を生みます。

 大切なのは幻想を手放し、それでも小さな努力を続けることです

 報われるかどうかにかかわらず、自分のペースで積み重ねる。
 これが「ゆるストイック」の実践です。私たちもまた、公平を過信せず、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。