「過去の経験でがんじがらめのバカ」にならない、たった1つの方法とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「過去の経験でがんじがらめのバカ」にならない、たった1つの方法Photo: Adobe Stock

古い成功体験の呪縛

 新しい行動を始めようとするとき、多くの人は「学ぶこと」「努力すること」に意識を向けます。

 しかし「ゆるストイック」を実践するうえで大切なのは、最初に「忘れること」です
 過去の思い込みや古い成功体験に縛られていては、新しい行動は根付きません。

 本記事では、なぜ「忘れること」が第一歩となるのかを考えます

 人は過去の成功体験にとらわれがちです。
「このやり方でうまくいった」という記憶は安心感を与えますが、環境が変化すれば役に立たなくなります。

 それにもかかわらず、古いやり方を固守することで、成長のチャンスを逃す人は少なくありません
 過去を「忘れる」ことは、未来に適応するための前提条件なのです。

思い込みを外す重要性

「自分は文系だから数字が苦手」
「リーダーに向いていない」

 そういった思い込みは、自分の可能性を狭めます

 これは過去の経験や周囲の評価から生じるものですが、実際には環境が変われば新しい力を発揮できることもあります

 まずはその思い込みを忘れ、自分を再定義する余地を作ることが必要です。

忘れることで余白が生まれる

 新しいことを始めるためには、心に「余白」が必要です。
 知識や経験を詰め込みすぎると、新しい発想や行動が入り込む余地がなくなります。

 不要なものを忘れ、手放すことで、初めて柔軟に変化を受け入れられるのです。
 これはストイックに努力するよりも重要な準備段階と言えます。

「ゆるストイック」の第一歩は、努力を積み重ねることではなく、余計なものを「忘れること」です

 古い成功体験や思い込みを手放すことで、柔軟に新しい行動を取り入れられます。

 心に余白を持ち、自分を再定義する
 その姿勢こそが、ゆるストイックに生きるための出発点です。ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。