「失敗してはいけない」という世界を生き抜く方法・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「失敗してはいけない」という世界を生き抜く方法・ベスト1Photo: Adobe Stock

ゼロ失敗思考という現代病

 現代社会では「失敗してはいけない」という圧力が強まっています。

 学校教育や企業文化の中で、失敗を避けることが正しいとされ、挑戦よりも安全策を優先する風潮が広がっています。

 しかし、この「ゼロ失敗思考」は、成長を阻む現代病とも言えるのです。

失敗を避ける文化の背景

 失敗を嫌う文化の背景には、競争社会とSNSの影響があります

 成果がすぐに可視化され、他人と比較される環境では、失敗が大きなダメージに感じられます。

 そのため、失敗を避ける選択が「合理的」に見えるのです。

 しかし、その積み重ねは挑戦の欠如を生み、長期的な成長機会を奪います

ゼロ失敗が招く停滞

 失敗を完全に避けようとすると、人は安全な行動しか取れなくなります。

 これは短期的には安心感をもたらしますが、新しい経験やスキルを得る機会を失わせます

 結果として、環境が変化したときに対応できず、大きなリスクに直面することになるのです。

小さな失敗を受け入れる

 失敗を恐れるのではなく、小さな失敗を意図的に取り入れる姿勢が重要です。

 小規模な挑戦であれば、失敗しても致命的ではなく、むしろ学びの機会となります。

 試行錯誤を繰り返すことで、柔軟に適応する力が育まれます。
 これは「ゆるストイック」が重視する、無理のない積み重ねとも一致します。

 ゼロ失敗思考は、一見合理的に見えても長期的には停滞を招きます。
 失敗を避けるのではなく、小さな失敗を許容し、学びに変える姿勢が求められます。

 完璧さではなく、継続と柔軟性を重視する。それが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、失敗を恐れず、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。