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人生の中で“プレッシャー”を感じる瞬間は数多い。「失敗したらどうしよう…」「絶対に結果を出さないと…」。そんな気持ちに振り回され、本来の実力が出せない場面もあるだろう。我々にのしかかってくる“プレッシャー”と、うまく付き合っていくための方法とは。本稿は、森優洵『仕事・スポーツ・勉強のプレッシャーがなくなる本』(かざひの文庫)の一部を抜粋・編集したものです。
人がプレッシャー
を感じる理由とは
プレッシャーは「過緊張」と言い換えることができます。
緊張が大きすぎることが、プレッシャーになってしまっているのです。
これには、「意志」に対して「想像力」が2乗になる、「努力逆転の法則」が関係しています。
「努力逆転の法則」のエミール・クーエ(薬剤師)は、プラシーボ効果を探求した人でもあります。プラシーボ効果とは、患者に薬だと言って小麦粉を渡すと、薬の効果が出て治ってしまうというものです。これは、
「薬を飲んだから治るに違いない」
と、患者が自己暗示にかかることで起こる現象です。
まさしく、想像力が思考に2乗して、力を発揮している状態です。
同じように、緊張も、意識すると想像力で2乗されてしまうので、プレッシャー(過緊張)になってしまいます。
人は「成功したい」という思いがあるとき、同時に「失敗するとまずい」という想像をしてしまいがちです。
「成功する=失敗していない」ということですから、成功したいという気持ちと、失敗が怖いという気持ちは同時に存在しているのです。
物事をうまくやろうと思ったときに、
「失敗したらどうしよう」
「うまくいかなかったことが浮かんで怖い」
といった気持ちになることはありませんか?
これはポジティブな「思考」に対して、ネガティブな「想像」が2乗されている状態です。アクセルを踏む力よりも、ブレーキを踏む力のほうが強いのと同じです。
「成功したい」という思考が強すぎると、同時に、「失敗すると怖い」という気持ちが大きくなりすぎてしまいます。
その分、プレッシャーも大きくなってしまうのです。
たとえば、大学受験やオリンピックはわかりやすい例です。
大学受験を失敗したら1年間はチャンスがありませんし、オリンピックの金メダルは、タイミングを逃すと一生手にすることができない可能性もあります。
そのため、「失敗してはいけない」という気持ちが強くなりやすく、プレッシャーや恐怖につながってしまうのです。
結果を気にしている人、失敗してはいけないと思っている人ほど、強いプレッシャーを感じてしまいます。
そして、「成功したい」よりも、「失敗してはいけない」という気持ちが強い人ほど、より強くプレッシャーを感じるでしょう。
失敗する恐怖を抱えている人は、身体が緊張して縮こまり、パフォーマンスも著しく低下して、結果的に失敗してしまうことが多くなってしまいます。
一方、うまくいく人は、結果を気にしていないので、プレッシャーを感じていません。そのため、身体にもムダな力が入らず、結果的に高いパフォーマンスを発揮できて、うまくいくのです。
プレッシャーを小さくできる
4つの法則
プレッシャーのかかる場面で、
「ここで負けたら、失敗したら、もうおしまいだ」
ということだけにとらわれていると、プレッシャーはますます膨らんでいきます。でも、視点や考え方を変えていけば、プレッシャーを克服することができるのです。
ストレスクリア®心理学には、「統合思考の4原則」というものがあります。
この4原則を実践すれば、視点や考え方が広がり、プレッシャーを小さくすることができるでしょう。
(1)長期的に考える
4原則のひとつ目は、「長期的に見る」ということです。
たとえば、亡くなる1日前にどのような気持ちでいるのかを想像してみましょう。そのときに、目の前にある小さな出来事をいちいち取り出して思い出すことはありませんよね。
また、100年後を想像してみましょう。100年経ったら、わたしもまわりの人も、誰もいませんよね。いま責められることがあっても、100年後には責める人も責められる人もみんないなくなっています。
さらに、「人生」という長いスパンで考えれば、いまの時点で「お金がある・お金がない」と言っても、死ぬときにお金を持っていくことはできません。
お金持ちの人もそうでない人も、死ぬときはみんな一緒なのです。
まずは、このように時間軸を長期的にずらしてみましょう。
長期的に見れば、悩んでいるいまの時間は短いもの。
いまの悩みなど小さなことに思えるはずです。
一方で、いまのことしか頭にない場合、いまが苦しいと、悩みもどんどん大きくなってしまうでしょう。
今日のことしか考えていない人と、数年後を考えている人とでは、考え方はまったく違ってきます。時間を長期的に考えれば、焦点がずれてプレッシャーは減り、短期的に考えればプレッシャーが増すのです。
(2)本質的に考える
4原則の2つ目は、「本質的に考える」ということです。
これは、「そもそも」という言葉がひとつのキーワードとなります。
「そもそも、これは何のためにやっているんだろう?」
「そもそも、これにはどんな意味があるんだろう?」
というように、視点をどんどん上げて考えていきましょう。
ひとつ目の「長期的に見る」が視点を横に伸ばすものであることに対して、「本質的に考える」は、視点を上に上げていくイメージです。
たとえば、
「ここで負けても、別にたいした意味はない。負けから学んで、最終的に優勝すればいい」
「今回の試験の点数は悪かったけれど、弱点を克服して大学に合格すればいい」
といった考え方です。
お店の場合も
「お客さまのためにやっていれば、お客さまが増えて、最終的にはお店がお客さまから愛される、繁盛する」
というように本質的に考えれば、プレッシャーも弱くなっていくでしょう。







