生産性のプロ、元マッキンゼーの勝間和代が、「家電(テクノロジー)」にはまった。なぜなら生産性を上げるには家電(テクノロジー)が一番の武器になることがわかったからだ。働く人は24時間の中で、仕事・子育て・掃除・料理をこなし、遊び、眠る。しかし多くの人は、本を読む時間もなく「もっと自分の時間がほしい」と嘆いている。そこで本連載では、家電歴40年、2000以上の家電を自腹で試した勝間和代氏によるまもなく発売の本、『仕事と人生を変える 勝間家電』の中から、家電(テクノロジー)を使って生産性を上げ自分の時間を取り戻す方法を紹介する。テクノロジーを使った「新知的生産術」。これを知らずに自分の時間は取り戻せない(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)。

吸引力はダイソンに勝る!家電オタクがこっそり教える「本当に使える掃除機」の正体
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掃除機は「コード式」がおすすめ

値段:★★★
手軽さ:★★
生産性:★★

 基本的な掃除はすべてルンバクイックルワイパーの組み合わせで行いますが、食べ物をこぼしたときなど急いでスポット的に行う掃除については、掃除機が便利です。

 このスポット掃除機を選ぶとき、私たちがついやってしまうことは、「コードレス」「充電(バッテリー)式」の掃除機を選ぼうとすることです。

バッテリー式はおすすめできない

 実はバッテリーで稼働する掃除機は、技術上どうしてもモーターの仕事量を十分に確保することができないため効率が非常に悪く、だからルンバもあんなに時間がかかるのです。

 ですから、どんなに高価な充電式掃除機(たとえばダイソンなども)を買ったとしても、短時間使用を目的としたバッテリー式掃除機には期待するほどの吸引力はなく、かえって充電の手間ばかりかかります。

吸引力は「吸引仕事率」を見ればわかる

 そうであるなら初めから、安価なコード式掃除機で十分です。

 吸引力は「吸引仕事率」で見ることができ「W」で表示されるので、掃除機を吸引力で選んで買いたい人はこの数字を見ればいいのですが、ちなみに私が持っているコード式掃除機は7000円台で200W。

 ダイソンは最上位機種のみHighで240Wですが、それ以外はこれより低いです。

「バッテリー式家電」は非効率

 充電式の掃除機は、構造上、大した仕事量が期待できないことと、無意識に充電の手間を考えて一瞬手が止まったり、充電忘れですぐ稼働できないと掃除をあきらめてしまいます。

 さらには年月が経つと、だんだんとバッテリーが劣化するため、最終的には充電池の取り替えや本体の買い替えが必要になってくるので非効率です。

なんでも「コード式」が強い

 スマホなどどうしても移動させる必要があるものは充電式でいいですが、それ以外は、私はコード式で構わないと思っています。

 たとえば私は、家で使っている「マウス」や「マイク」もすべてコード式にしています。

長さが足りなければ「延長コード」で

 充電式はとにかく手間がかかる割に性能が低い、と思ってください。

 唯一のメリットは持ち運べることだけなので、掃除機も使う範囲をカバーできるならコード式にして、長さが足りない場合は、長い延長コードで動かせばいいのです。

バッテリーのテクノロジーはまだ進展途上

 本書はテクノロジーについていろいろ解説していますが、残念ながらバッテリーのテクノロジーは、いまだ芳しく進展していないエリアの1つです。

バッテリー式はとにかく非力

 もちろんリチウムイオン電池やニッケル水素電池など、新しいバッテリー技術がたくさんできてきてはいるのですが、通常の電源線(コード)をつないで電気を供給する仕組みに比べると、まだまだ非力です。

 いまだ充電式の冷蔵庫や電子レンジ、エアコンがほぼないのはそのせいです。

 ある程度安定してたくさんの電力を供給することを考えると、バッテリー駆動は向いていないのです。

「コードレス=優秀」ではない

 コードレスはなんでも優秀であるかのようなイメージがあるでしょうが、コードレスは基本的に「高くて非力」だと思ってください。

 量販店がコードレス製品をすすめるのは、その方が単価が高いからです。

 私たちはそんなに巨大な屋敷に住んでいるわけではありませんので、電源が届く範囲で使えれば十分ならコード式でいいのです。

「高い=優秀」ではない

 どうしても私たちは「高いものは性能がよく、安いものは性能が悪い」と思いがちですが、テクノロジーにも原価の違いがありますので、必ずしも高いものが性能がいいわけではありません。

(本稿は『仕事と人生を変える 勝間家電』からの編集記事です。本には商品のメーカーや型番も掲載しています