中国の習近平国家主席は米ニューヨークの国連本部で開かれた気候変動対策のイベントで、パリ協定に基づく新たな温室効果ガスの排出削減目標を発表した。ドナルド・トランプ米大統領に間接的にけん制し、地球温暖化対策に後ろ向きの国々を暗に批判した。習氏は24日のビデオ演説で「グリーンで低炭素への移行は時代の潮流だ」とし、「一部の国はこれ逆行する行動を取っているが、国際社会は正しい方向性に集中すべきだ」と述べた。トランプ氏は前日の23日の演説で、気候変動を「詐欺」と非難し、再生可能エネルギーが移民とともに西側諸国を破壊していると発言していた。両者の演説は、クリーンエネルギーと気候変動に対する両国の立場の違いを浮き彫りにした。中国はクリーンエネルギー技術で圧倒的な優位に立っており、10年前に発効した気候変動対策の国際的枠組みであるパリ協定を堅持する姿勢を示している。一方、トランプ氏は同協定からの再離脱を表明し、化石燃料の活用を進めている。同氏は国連での23日の演説で、「風車は哀れだ」と主張し、「グリーンエネルギーの詐欺から離れなければ、あなたの国は滅びる」と各国に警告した。