思考の「幹」を育て
応用力を手に入れる

全体の論旨を捉える訓練は、単に国語の点数を上げるだけにとどまりません。それは、あらゆる情報の中から最も重要な「幹」を見つけ出す思考の訓練です

数学で言えば、複雑な問題文の中から使うべき公式や解法の糸口を見つけ出す力。理科や社会であれば、断片的な知識を結びつけ、歴史の大きな流れや科学現象の根本原因を理解する力につながります。

枝葉末節に惑わされず、物事の本質を見抜く目が養われるのです。

「読まされる」学習から
「読み解く」学習へ

「なぜ、この著者はこう主張するのか?」「この教科書が伝えたい核心は何か?」

要旨を考える学習を繰り返すことで、あらゆる文章に対して、受け身ではなく能動的に向き合う姿勢が身につきます。教科書や参考書をただ「読む」のではなく、その背後にある意図や構造を自ら「読み解く」ことができるようになるのです。

この主体的な学びのスタイルこそが、探究心に火をつけ、知的好奇心を大きく育ててくれます。

「自分の言葉」で語れる人は
すべての場面で強い

記述式の解答を作成するプロセスは、頭の中にある漠然とした理解を、論理的で分かりやすい「自分の言葉」に再構築する作業です。この力は、小論文や面接で自分の考えを的確に伝える場面で絶大な効果を発揮します。

さらには、将来社会に出てからのプレゼンテーションやレポート作成など、あらゆるコミュニケーションの土台となる、一生涯役立つスキルとなるのです。国語力を鍛えることは、未来の自分への最大の投資と言えるでしょう。

※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。