まずは「自分観察」から始めてみませんか?

「自分に合う方法」を見つける第一歩は、自分を客観的に知ることから始まります。大げさな記録は必要ありません。「今日は5分だけ机に向かえた」「参考書を1ページだけ開いた」など、手帳やスマホのメモに一行だけ残してみましょう。

うまくいった日だけでなく、「今日は何もできなかった」という日も正直に記録するのがポイントです。この小さなデータの蓄積が、自分の勝ちパターンや、つまずきやすいポイントを教えてくれる最高のコンサルタントになります。

小さなご褒美で「やる気」を育てる

行動のハードルを下げる工夫と合わせて、ぜひ「小さなご褒美」を用意してみてください。「バス停まで行けたら、好きなチョコレートを一つ食べる」「参考書を10分読んだら、お気に入りの曲を1曲聴く」といった、本当にささやかなご褒美で十分です

この「行動とご褒美のセット」が、脳に「これは楽しいことだ」と認識させ、面倒な作業への抵抗感を和らげてくれます。

「やらないことリスト」でエネルギーを守る

私たちはつい「やることリスト(To-Doリスト)」に追われがちですが、時には「やらないことリスト」が自分を助けてくれます。「勉強前は意味なくスマホを見ない」「完璧な計画を立てようとしない」など、無意識にあなたの集中力やエネルギーを奪っている習慣を断ち切るのです

やるべきことを増やすのではなく、不要なものを手放すことで、心は驚くほど軽くなります。

「失敗」こそが最高のカスタマイズ素材

バス停から引き返してしまった日や、図書館から何もせず帰ってきた日は、決して無駄ではありません。それは「今の自分にはこの方法は合わない」ということが分かった、貴重なデータ収集の日です

なぜ気分が乗らなかったのかを少しだけ振り返ることで、次はもっと自分に優しいルールを設定できるはずです。「失敗」を恐れず、自分だけの仕組みを自由にカスタマイズしていくゲームだと捉えてみましょう。

その試行錯誤のプロセス自体が、あなたを目的地へと運んでくれるはずです。

※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。