投資家が政府より低い利回りで企業に資金を貸そうとするのは通常、その国が財政破綻に直面し、政府の債務不履行(デフォルト)リスクが高まっている場合だ。しかし、米マイクロソフトが発行する2種類の最高格付け社債が同等の米国債より低い利回りで取引されていることは、通常と異なる状況を示している。社債需要が極めて旺盛だということだ。米国の「AAA」格付け社債のうち、主要指数に含まれる2銘柄が現在、同等の米国債利回りをわずかに下回って取引されている。これは「ネガティブスプレッド」と呼ばれる極めて異例な状況だ。理論的には企業の方が、企業に課税できる政府よりもデフォルトする可能性がはるかに高い上、社債は国債より取引が困難なため、迅速に売却しにくいことを補償するために買い手にやや高い利回りを提供する必要があるからだ。