米国のクレジット市場は過熱している。おそらく過熱しすぎだ。投資家は社債をむさぼるように買いあさっている。一部の指標では、リターンが数十年ぶりの低水準というにもかかわらずだ。このフロス(ミニバブル)的状況により、米金融街の一部では、市場が割高な状態にあり、下落の兆しがあると懸念する声がある。だからこそ、悪いニュースが神経を逆なでし、米国の借り手に根本的な問題が生じているのではないかという疑問を呼び起こす。自動車業界における2件の突然の破綻(信用力の低い個人向けローン会社と部品サプライヤーの破綻)が、債券投資家やアナリストの間でそうした議論を引き起こしている。現時点では広範な波及の兆候は見られない。各事例には独自の特徴があり、より広範なトレンドを示すものではない。しかし、根強いインフレや「プライベートクレジット」として知られるウォール街の注目分野におけるデフォルト(債務不履行)増加といった他の課題も相まって、ベテラントレーダーにも警戒を促すには十分だ。
米クレジット市場活況、ウォール街に漂う警戒感
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