「お金は大切だけど、お金ばかり考えて一生を過ごしたくない!」
物価上昇、株価変動など、お金の不安が尽きない時代。どうすれば、自由に豊かに生きられるのか? 娘のために「お金と投資」のアドバイスを綴った人気ブログを書籍化したのが『改訂版 父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』(ジェイエル・コリンズ著)だ。投資歴50年を通じて「経済的自立=人生の選択肢を持つこと」と説く著者が、時代に左右されない投資戦略と人生哲学を紹介している。
作家の橘玲氏は「お金持ちになるには、シンプルな方法がひとつあるだけ。あなたはなぜ、それをしないのか?」と評し、『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルは「美しくシンプルな本だが、人生に深い影響を与える」とコメントを寄せている。約10年ぶりに改訂となるベストセラーの本書から、その内容の一部を特別公開する。

年収2000万円で破産する人と、年収400万円でも経済的自立を果たす人の決定的な違いPhoto: Adobe Stock

お金をどれだけ持っているかは、
意味がない

 お金の意味はとても相対的なものです。

 今、私の財布には200ドル入っています。大金持ちの人の2万ドルのほうが、私の200ドルよりも資産全体に対する比率は小さいかもしれません。

 さらに裕福な人なら20万ドルなのかもしれません。ごく貧しい人にとっては、1年間を通して、200ドルというお金を見ることはないかもしれません。

 経済的に自立していると言えるのは、それだけのお金を持っているということですが、同時に、どれだけ必要なものを限定できるかということでもあります。

 収入の多寡は関係ありません。何に価値を見いだすかがポイントです。

 むしろ、高額所得者は破産しやすく、低所得者は目標を達成しやすい傾向があります。

 お金でいろいろなものが買えますが、経済的自立ほど大切なものはありません。簡単な公式はこうです。

 稼ぐ範囲で使い、余りは投資する。借入金は避ける。

 これだけやればお金持ちになれます。

 収入と同額あるいはそれを上回る出費をしていると、経済的に自立するという希望はかなえられません。

(本稿は、『改訂版 父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』を一部抜粋・編集したものです)

ジェイエル・コリンズ JL Collins

ファイナンシャル・ブロガー(ブログ「jlcollinsnh.com」主宰)
1975年から投資を行っている個人投資家。何度も転職する中で、収入の範囲内で生活するようになり、気がつけば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていた。実践したのはシンプルな投資だけ。収入の半分を投資、借金をしない、バンガード創業者ジャック・ボーグルの教えに従ってインデックスファンドに投資する。これだけで経済的自由を手に入れた。
2011年、娘宛てに「お金と投資」についての手紙をしたためる。その内容をブログに発表すると、世界中から注目されるようになる。