9月後半のある週末、医薬品価格を巡りトランプ米政権と協議していた製薬大手ファイザーの幹部チームにメッセージが届いた。スケジュールを空けておけというものだった。交渉は転換点にさしかかっていた。ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と、政権側の交渉を率いていたメディケア(高齢者向け医療保険制度)責任者のクリス・クロンプ氏は首都ワシントンで会談し、薬価を巡り大枠で合意した。関税回避の期限が迫る中、まだ調整すべき点がいくつか残っていた。