カナダのマーク・カーニー首相は、来週初めに米首都ワシントンを訪問し、鉄鋼や自動車など主要セクターでの関税緩和を目指して協議を進める方針だ。6日夜に出発し、7日にはドナルド・トランプ米大統領との首脳会談をはじめ、複数の会議を予定している。カーニー政権は、トランプ政権の関税措置に対する戦略を転換した。カーニー氏は当初、無関税貿易を最終目標に定め、まずは米国と包括的な経済・安全保障協定を結ぶことを目指していた。だが現在、カナダはアプローチを絞り込み、カナダ産の鉄鋼、アルミニウム、自動車、針葉樹材に対して米政権が発動した高関税の緩和を求めている。カナダは米国にとって最大の鉄鋼・アルミニウム供給国だが、いずれも米国から50%の関税を課されている。