1月22日のCFSコーポレーション臨時株主総会へ向けて、同社経営陣とイオン間の委任状争奪戦が佳境を迎えている。アインファーマシーズとの経営統合で企業価値を向上させたいCFS経営陣に対して、足元の業績向上が先と主張するイオン。そこには激動の業界でいかに勝ち残るかという両者の展望の違いがある。
「イオンに反対されるとは思わなかった」(石田健二・CFSコーポレーション会長兼社長)
「これ以上話し合うことはない。臨時株主総会で双方の案を諮る」(豊島正明・イオン専務取締役)
CFSコーポレーション(CFS)とイオンの溝は、意見対立が表面化した2007年10月以降の4ヵ月間少しも埋まることはなかった。結局、1月22日に開催されるCFS臨時株主総会に向けて委任状争奪戦を繰り広げるという、“最終手段”によってCFSの行方が決まる。
ドラッグストア業界6位で神奈川県に地盤を持つCFSが調剤薬局業界最大手のアインファーマシーズ(アイン)との経営統合を発表して以来、それに反対する筆頭株主で約15%の株式を保有するイオンとのあいだで、お互いの主張をぶつけ合う舌戦が続いていた。
CFSとアインは調剤を軸に、他チェーンと差別化された「トータルヘルスケア企業」に生まれ変わる構想を持つ。
対するイオンは、現時点でCFSが取るべき施策は、アインとの経営統合ではなく低迷する業績の回復であると主張。現在の低迷する株価を基準にした株式移転比率(統合で新設される共同持ち株会社株をCFS1株に0.3株、アイン1株に1.25株)は、CFSの株主価値を毀損するとして、経営統合に反対している。
確かに、CFSの業績は落ち込んでいる。2007年2月期は31億円の最終赤字に転落。既存店の売上高前年比は、じつに4年連続でマイナスである。「将来への施策よりも足元の店舗の改善が先」(岡田元也・イオン社長)との主張には一理ある。