大人の言い換え力検定写真はイメージです Photo:PIXTA

言葉は頼もしいパートナー。あなたに力や勇気や幸せを与えてくれます。「大人の言い換え力」に磨きをかけて、日常のピンチを華麗に切り抜けたり、果敢に立ち向かったりしましょう!(クイズ制作/石原壮一郎)

クイズ

 夫婦で特急列車に乗った。先に車内に入っていった妻が、カップルに「私たちの席なんですけど!」と強い口調で言っている。ところが、確かめたら自分たちの席は隣の車両だった。

 妻は気まずかったのか、何も言わずに立ち去ろうとしている。座っていた若いカップルはあきれた様子で顔を見合わせているが、夫としてどう振る舞うか?

(A)妻の手をつかんで逃亡を阻止し、「ほら、ちゃんと謝って」と促す
(B)妻を横に立たせて、自分が「申し訳ありませんでした」と深く謝る
(C)自分がその場に留まって「妻がご迷惑をおかけして」と神妙に謝る

正解は……

B

× (A)妻の手をつかんで逃亡を阻止し、「ほら、ちゃんと謝って」と促す
◎ (B)妻を横に立たせて、自分が「申し訳ありませんでした」と深く謝る
△ (C)自分がその場に留まって「妻がご迷惑をおかけして」と神妙に謝る

解説

 間違いは誰にでもあります。大切なのは間違ったあとの振る舞い方。非を認めてきちんと謝ることで、相手の気持ちも自分の気持ちも楽になります。

 妻が何も言わずに立ち去ろうとしているのは、残念すぎる行動。ただ、今は妻に苦言を呈している場合ではありません。Aは、迷惑をかけた相手に気まずい雰囲気を味わせることになるし、妻が不貞腐れるなどしてさらに不愉快な気持ちにさせる可能性もあります。

 妻はひとまず放置して自分が代わりに謝るCでも、相手は納得してくれるでしょう。

 ただ、Bの謝り方のほうが、自分の中で「やるだけのことはやった」という気持ちになれそうです。妻が自分に続いて謝罪の言葉を口にできれば、理想的ではありますが。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール