2023年には、29州で4341件のカルバペネム耐性菌による感染症が確認され、そのうち1831件はNDM-CREが原因だったという。ただし、報告書では患者の死亡数は明らかにされていない。
CDCの疫学者でこの報告書の共著者であるMaroya Walters氏は、「耐性菌が広がるにつれ、尿路感染症などの一般的な病気の治療がはるかに困難になる可能性がある」と警告している。
多くの病院は必要な検査を行う能力がない
薬剤耐性は、細菌が抗菌薬に抵抗する能力を獲得することであり、必要がないときに抗菌薬を使用する、処方された用量を最後まで服用しないなどの誤用によって引き起こされることが多い。
また専門家らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックも、薬剤耐性菌の増加に影響を及ぼした可能性が高いと見ている。米セントルイス・ワシントン大学の感染症専門家であるJason Burnham氏は、「パンデミック中に抗菌薬の使用が急増したことは分かっており、これが薬剤耐性菌の増加に寄与した可能性が高い」とAP通信に対して語っている。
ただし、研究グループによると、今回の分析は、実際の感染者数を過小評価している可能性が高いという。多くの病院は必要な検査を行う能力がなく、カリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、テキサス州といった人口の多い州のいくつかはデータセットに含まれていないからだ。このことから研究グループは、全国の感染者数は実際にはもっと多い可能性があると述べている。(HealthDay News 2025年9月24日)
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