フランスのエマニュエル・マクロン大統領が財政悪化からの脱却のため、憲法で認められている第5共和制の保証人としての一連の手段を使い果たそうとしている。マクロン氏は昨年、混乱が続いた国民議会(下院)を解散したものの、有権者の選択はさらに分裂した議会だった。それ以降、次々と首相を任命したが、いずれも辞任または不信任決議が可決された。マクロン氏は選択肢が尽きようとする中でますます孤立。また盟友でさえも、大統領がフランス民主主義の構造を破綻まで追い詰めようとしているのではないかと疑問視し始めている。中道右派の政治家で、マクロン政権の初代首相を務めたエドゥアール・フィリップ氏は、「この危機は国家の崩壊に相当する。それが私の見解だ」と述べた。