富裕層の世界Photo:PIXTA

富裕層は自らの外見に気を配り、磨くことを重視しています。それが、彼らが成功し続けるための戦略でもあるからです。なぜ富裕層は外見にこだわるのか。またどんな点に気を付けているのか。執事として彼らの生活を間近で見てきた経験を踏まえ、解説します。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)

富裕層には
「外見がいい人が多い」ワケ

 私は執事として、長年にわたり富裕層の暮らしを間近で支えてきました。

 資産管理や日常生活のサポート、お子様の教育や事業承継の支援など、幅広い業務を通じて多くの方々と接してきましたが、その経験から強く感じる共通点があります。

 それは、富裕層には「外見がいい人が多い」という事実です。

 ここでいう「外見がいい」とは、モデルのような顔立ちをしているとか、スタイルがいいとかいう意味ではありません。「第一印象が圧倒的に良い人」が多いということです。

 表情が豊かで親しみやすく、姿勢が整い、声のトーンが落ち着いている。

 そうした要素が組み合わさり、「この人は信頼できる」「一緒に仕事をしたい」と思わせる雰囲気を自然に醸し出しているといえるのです。

富裕層にとって外見は
「戦略的に磨くもの」である

 富裕層が魅力的に見える理由は、遺伝的な要因や偶然の産物ではありません。

 多くの方は「外見を資産」と捉え、日々の習慣や戦略的な投資で磨き続けています。

 心理学的にも外見の重要性は裏付けられています。「メラビアンの法則」(1971)によれば、人は初対面の印象の55%を視覚情報から判断するとされています。つまり、外見や表情は人間関係の入り口において非常に重要な要素なのです。

 さらに米国では、容姿の良い人は平均で5〜10%収入が高いという研究結果もあります。外見を磨くことは自己満足にとどまらず、実際のビジネス成果に直結する「投資」として機能しているのです。