お金で転落してしまう人と、
成功にたどり着く人の違いとは?
一時的な成功を収めた後、つまずき、そこから転落してしまう人と、失敗を糧にもう一段上の成功にたどり着く人。その違いは、やはり1億円程度のお金を手にしたときの使い方でわかります。
1億円の使い方を間違えれば、前述したように3日もあれば、あっという間になくなるものです。しかし、それを、人との信頼が深まるコミュニケーションや事業の成長につながる投資、お客様に喜んでもらうための投資、将来の自分に役立つ学びに向けた投資に費やしていれば、仮につまずいたとしても、それを学びに変えることができます。失敗を次のステージへの糧にできる人は、自分の人生の目的に見合ったリターンにつながるものにお金を使っているのです。
決して、自己顕示欲を満たすための浪費には回しません。
私はお金持ちの成功と失敗を間近で見ていて、常々、お金と包丁はよく似ていると思っています。どちらも、使いようだからです。
包丁は人を傷つける危険性のある道具ですが、正しく使えば人を感動させる料理をつくり出すこともできます。お金も同じで、使いようによっては本人を転落させることもあれば、さらなる成功への道を開く力になります。
移住したモナコで多くの大富豪と知り合いになり、私は彼らが一様に大切にしているものがあることに気づきました。それは「ライフ・パーパス(Life Purpose)」、日本語に訳すなら「人生の目的」です。
モナコの人たちは、男女問わず、自分の人生の目的をはっきりと自覚しています。だから、彼らの「お金の使い方」にもブレがありません。使う額の大小ではなく、「この使い方は自分のライフ・パーパスに見合っているか」。いつもその視点を持っているから、彼らは巨万の富に振り回されることなく、人生を楽しめているのだと思います。
一時的な成功の後、転落してしまうか、もう一段上のステージにたどり着くか。その差を分けるのは、お金の増減によって左右されない人生の目的を自覚できているかどうかにあるのかもしれません。