東海・北陸の小売の雄「バロー」社長が語る、「関西1000億円・関東500億円」を実現する戦略とは?バローホールディングス小池孝幸社長 写真:カーゴニュース

岐阜県多治見市に本社を置き、東海・北陸など中部圏から関西へとスーパーマーケットを中心とした小売チェーンを展開するバローグループ。そのトップを務めるバローホールディングスの小池孝幸社長は、物流部長を経験し、現在もグループの物流事業を担う中部興産の社長を兼任するなどユニークな経歴で知られる。製造や卸売、物流などの関連業務をグループで内製化するビジネスモデルの強みや、今後の事業拡大を支える物流戦略、中部興産の成長ビジョンなどについて話を聞いた。(カーゴニュース代表 西村旦)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

グループ売上高1兆円に向けて
関西、関東への拡大戦略とは

――グループ売上高1兆円の早期実現に向け、「関西1000億円構想」「関東500億円構想」を掲げて同エリアへの出店を増やしていますが、どのような物流戦略を考えていますか。

小池 バローグループでは現在、岐阜県可児市にマザーセンターを構え、そこから各地のセンターを経由して店舗に配送するという、いわば集中型の物流体制をとっています。遠距離の店舗向けには一部で転送、つまりセンター間の輸配送が発生しています。

 現段階では転送によるコストや手間よりも集中化によるメリットのほうが上回っていますが、関西や関東での出店を増やしていけば、よりエリア完結型の物流を検討しなければならないタイミングは必ず来ます。今後の出店ペースなどを見極めながら拠点配置の再構築を検討していきますが、その際には既存センターの配置や用途の見直しといった“玉突き”も想定されます。

 中部興産が運営を担っているグループの物流センターが約30カ所あり、常温センターやチルドセンター、青果や米飯のセンター、プロセスセンターに加えて、スーパーマーケット向け、ドラッグストア向け、ホームセンター向けなど多岐にわたっています。これらのセンターの配置を今後どのように見直していくかについては、今後の出店ペースを見ながら柔軟に検討していくことになりますが、自前での運営は臨機応変に対応できる点において大きな強みです。

 店舗も同様ですが、例えば当社のスーパーマーケットの近隣に競合の新店舗ができた場合に、ドラッグストアに素早く転用するなど、“つぶし”が利くことが内製化の大きなメリットだと考えています。

――今後、関西や関東に配置する物流センターでも自前主義を貫く方針でしょうか。