
佐川急便の笹森公彰社長が、一部メディアとの会見に応じた。宅配便の取扱個数が伸び悩んでいることや「置き配」の安全性への見解、そして不正問題を巡る日本郵便との協業について語ったこととは?(カーゴニュース編集部)
*本記事はカーゴニュースからの転載です
観光地や駅、空港などに手荷物預かりや
宅配便発送などのタッチポイントを増やす
今年4月に就任した佐川急便(本社・京都市南区)の笹森公彰社長(写真)が、東京本社内で物流関係メディアの取材に応じ、経営の重点課題などについて語った。
今年度からスタートした親会社SGホールディングスグループの新中期経営計画において、リアルコマース、越境EC、コールドチェーンを成長のための重点領域に挙げていると強調。リアルコマースについては観光地や駅、空港などに手荷物預かりや宅配便発送などのタッチポイントを増やしていく方針を示し、「訪日外国人旅行者が便利を感じ、旅行を楽しんでくれることが大事だ」と述べた。
越境ECについては「国内の人口が減少する中、お客様がどこを見ているかというと海外。販路が海外に広がっていく中で、我々もそこに目を向けてマーケットの視野を広げていかなければならない。越境ECを包括的にサポートできるシステムなど、お客様が海外に販路を広げられるお手伝いをしていきたい」との考えを示した。
コールドチェーンの拡大については「冷凍と冷蔵の両方をラストワンマイルで配送できる会社は日本の中で当社を含めて2社しかない。ラストワンマイルができることで、問屋やメーカーの物流をつなげ、サプライチェーン全体をワンストップでサービス提案できる」と述べ、SGHDが昨年買収した旧C&Fロジホールディングス(ヒューテックノオリン、名糖運輸)とのシナジーによる今後の事業成長に自信を見せた。