「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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あの人が入社してから雰囲気が悪くなった
ある日を境に、なぜかチームの雰囲気がぎくしゃくし始める。
特定の誰かが入ってから、メンバー同士の会話が減り、気まずい沈黙が増える。
表立ってトラブルがあるわけではないのに、確実に何かがおかしい……。
そんなとき、「あの人が入社してからおかしくなった」という声がひそかに囁かれるようになります。
では、その「あの人」はいったいどんな行動をしているのでしょうか?
「察してちゃん」の自己主張
このタイプは、周囲に自分を察してほしいという期待が強すぎます。
言葉に出さず、不機嫌な態度や溜め息、ぶっきらぼうな受け答えで「不満」を表現し、周囲にプレッシャーをかける。
周囲の人たちは「何かしただろうか……」と余計な気遣いを強いられ、空気がどんどん重くなっていきます。
「自分は特別」と思っている
前職での経験や自負がある人ほど、「このレベルの仕事は自分のやるべきことではない」と考えがちです。
その意識が態度に出ると、「なんであの人だけ偉そうなの?」という違和感に変わります。
結果、周囲との温度差が広がり、孤立しながらも場の雰囲気を壊していくのです。
「仲良くなる順番」を無視する
チームに溶け込むには、段階的な関係構築が必要です。
しかし、「距離の詰め方」が極端に早かったり、逆にまったく話さなかったりと、極端なコミュニケーションを取る人は、チーム内のリズムを乱してしまいます。
特に新参者であるにもかかわらず、最初から誰かとだけ親しくしていると、周囲からは「派閥っぽくて嫌だな」と思われてしまうのです。
「陰口」での共感
「他人の陰口で共感を得ようとする」。これは最悪のパターンです。
ある特定の同僚のミスや性格について、あからさまに愚痴をこぼす。
その場では相手も「わかる」と共感するかもしれませんが、空気は確実に濁ります。
誰が次の標的になるかわからない、という不安が漂い始め、チームの一体感が崩壊していくのです。
このような人物は、一見「論理的で的確な指摘をする人」に見えることがあります。
しかし、それが他人を萎縮させ、場の自由度や協力関係をじわじわと壊しているのです。
「実力」よりも「空気を読む力」
新しい職場で成果を出すには、まずチームの空気を壊さないこと。
すぐに能力を見せつけるよりも、謙虚に溶け込み、聞き役に回ることのほうが大切です。
リーダーや周囲のメンバーが「あの人が来てよかった」と思うのは、雰囲気を明るくし、協調性をもって動ける人。
リーダーは仮面をかぶりましょう。
すぐに自分を出さず、まずは場にフィットする仮面をかぶることが、新しい職場での第一歩です。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計178万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










