「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」

そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

40歳から「部長になる人」「お荷物になる人」その差とは?Photo: Adobe Stock

「部長になる人」「お荷物になる人」

 会社員人生の後半戦、40歳を過ぎると「部長に昇進する人」「組織のお荷物になる人」との分岐点がはっきりと表れてきます。

 年齢を重ねるほど、実力以上に「信頼」「マネジメント適性」が問われるようになるからです。

 では、両者を分ける決定的な違いはどこにあるのでしょうか。

出世する人は「自分の代わりを育てている」

 部長になる人は、自分のタスク処理能力以上に「人を育てる力」に優れています

 自分の手で抱えるのではなく、チーム全体で成果を出す体制をつくる

 それが、次の階段に上がるための前提条件です。

 対して、お荷物になる人は「自分がやらないと不安」「他人に任せられない」という思考から抜け出せません

 結果、プレイヤーとしての動きはできても、リーダーとしての視座を持てずに終わります。

出世する人は「会議での発言に重みがある」

 40歳を過ぎて重要なのは、「場における影響力」です。

 出世する人は、言葉数は少なくても、その発言がチームの方向性を変えたり、視座を引き上げたりします

 一方、お荷物化する人は「自分の知っていること」を話すだけで、聞き手を動かしません。

 経験年数にあぐらをかいた情報提供型の発言に終始し、周囲から「聞き流される存在」になってしまうのです。

出世する人は「上司の意図を先読みできる」

 部長とは、経営層と現場の橋渡しを担う立場です。

 そのため、会社の方針や上層部の意図を先読みし、チームにわかりやすく翻訳して伝える力が求められます。

 出世する人は、「今、会社は何を目指しているのか」「そのために自分のチームはどう動くべきか」を言語化できます

 反対に、お荷物になる人は「上の指示がないと動けない」「現場にしか目が向いていない」など、自分のタスクに閉じこもる傾向があります

差がつくのは「自分の時間の使い方」

 出世する人は、「自分がやるべき仕事」と「他人に任せるべき仕事」を明確に切り分け、その時間を「組織の未来」に投資しています

 お荷物になる人は、いつまでも「自分の作業」に忙殺され、組織にとっての価値提供が希薄になっていきます。

 今の働き方が、5年後の立場を決めます

 リーダーは仮面をかぶりましょう。
 たとえ不安があっても、周囲に頼られる存在であり続けるために、落ち着いた「リーダーの顔」を演じ続けることが、未来を変える第一歩です

(本稿は、リーダーの仮面の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計178万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。