お客様も国際色豊か
英語での接客も

 世界大会ということもあって海外のお客様も非常に多く、英語対応がたくさんできたのも個人的には楽しいポイント。ビールは1杯1000円だったのですが一度に5、6杯買っていく方もちらほらいらっしゃいました。

「海外のお客さん、豪快だなー。でもドル換算すると6.5ドルぐらいなら妥当か。円安、厳しい……!」などと考えたりしつつ、どんどんビールを売っていきます。

 いろいろな国、宗教の方がご来店され、「私はムスリムなんだけれど、これはハラルなんですか?」とか「ベジタリアンなのですがこれ、肉は入っていませんか?」など質問されたのも興味深かったです。いろいろ考えながら英語でコミュニケーションを取っていったのはなかなか刺激的な経験でした。

 メニューをスマホで写真に撮り、おそらくAIに翻訳させているっぽいお客さんもちらほら見かけます。僕も海外旅行に行った時によく同じようなことをやるので、勝手に共感していました。

 残念ながら、僕らが働いている売店からは競技場の中の様子は見えませんが、会場内の盛り上がりはビシビシ伝わって来るため、それだけでテンションは上がります。大きな競技の決勝タイミングでは来店するお客様の数がグッと減り、競技が終わった後でまたドッとお客様が増えるという流れも何度か経験。

 おそらく競技で優勝したであろう国の応援団の人々が「We Are the Champions」みたいな歌を歌い、踊りながらコンコースを練り歩いていたのを見かけたりして、国際大会のお祭り気分を味わうことができて楽しかったです。

 僕が働いた日は大会も終盤。現場で働いている社員やバイトの方たちはみんな、連日の勤務で疲労困憊気味でした。「今日で◯日連続勤務だよ。もう無理……」とドリンク場のお兄さんも弱音を吐いています。

「大変そうだな」と見ていたら、本社からの助っ人っぽい人が立て続けに登場しました。「うわっ、人事の◯◯さん、来てくれた!」「経理の△△さん! 会うの、めちゃ久しぶり!」などと社員さんたちが興奮しており、よくわかりませんが会社的には激アツな展開が起きている模様。

「こういう大変な時に社内の別部署の人が助けに来てくれるの、嬉しいんだよな」と自分のサラリーマン時代の仕事を思い出してちょっとエモい気分にもなりました。