「“考えすぎ”から解放された」
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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法事のたびに逃げたくなる理由
私は実家と距離を置いている。
理由は明確だ。会えば必ず「いつまで一人なの?」と言われるからである。
大阪で一人暮らしをしていたときは、「仕事が忙しくて」と言って、年末年始も帰省せず何とかやり過ごせていた。
だが、その後ニートとなり実家に強制送還されると、やれ結婚しろとか、地元で就職しろとか責められ、逃げたくなった。
何度か実家から離れようと試みたが、どこに行ったとしても、法事だけは免れることができない。
そして母が結婚についてとやかく言うのは、決まって法事の後なのだ。
同じ年頃のいとこたちはみんな結婚している。
親戚が集まる場で、私だけが独身。
「仕方ない」――そう思って、法事のたびにお説教に耐えていた。
でも本当に、仕方ないことなのだろうか?
世界的ベストセラーの教え
この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。
――『STOP OVERTHINKING』(P.58)より
これは、実家だけの話ではない。
たとえば、苦手な先輩との飲み会。
断る選択肢があるのに、「誘われたから」と我慢して参加してしまう。
また、時差出勤を申請する方法があるのに、「みんなと同じ時間のほうが仕事を進めやすい」と言い聞かせ、毎朝満員電車にイライラしながら乗り続ける。
このように、多くの人は「仕方ない」と思い込み、わざわざストレス源に飛び込んでいる。
本書が提示するストレスマネジメントの「4A」のうち、「回避(Avoid)」という選択肢があることに気づいていないのだ。
身のまわりには、完全に避けられるストレス要因はたくさんある。
不要で有害なストレスには、「NO」と言っていい。
「三流」・「二流」・「一流」の違いとは?
その後、私はどうしたかというと、なんとジャカルタで働くことを選んだ。
物理的に距離を取ったことで、母からの「結婚しろ」攻撃を免れ、法事への招集もなくなった。
法事に出ないことへの罪悪感はあったが、毎回、あの場に行くストレスと天秤にかけたとき、私は心の平穏を選んだ。
次にストレスを感じたら、「この状況そのものを避けられないか」とまず自問してみよう。
不要なストレスと戦う必要はない。
避けるだけで、心のエネルギーは節約できるのだ。
ただ、私の場合、赤道を越えてしまったのは、いまとなってはやりすぎだったなと思う。
何事も適度が一番である。
私は数々の一流の人を取材してきたが、一流の人に共通するのは問題が起こったときに体当たりせず、うまく「避けている」ことだ。
そうすると、ストレスを感じず疲れない。
これは「逃げる」のとは違う。
積極的な姿勢で問題を「避けている」のだ。
三流は「とりあえずやる」、二流は「耐える」。だが、これだとなかなかうまくいかない。
一方で、「一流」は意識的に「避ける」。やはり一流は、戦わずして勝つ人が多い。
そんなことも本書は教えてくれた。
(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)









