“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【考えすぎの罠】三流は「不安を調べ続ける」、二流は「理由を探してから動く」、では一流は?Photo: Adobe Stock

ただ「不安」だけが残るのはなぜ?

 先日、フリーランス仲間が大きな手術を受けた。
 彼女は保険に入っていなかったらしく、かなり大変だったと聞いた。
 会社員と違って傷病手当がないフリーランス。そう考えると、私も急に不安になった。

 机の奥に仕舞い込んでいた役所からの検診のお知らせを引っ張り出して予約した。
 そこまではよかった。問題はその後だ。

「なんとなく食欲がない」
「腕に見たことがない発疹が出た」

 これって何か病気の兆候かもしれない。
 検索してみると、あらゆる可能性が出てくる。
 結局、答えは見つからず、ただ不安だけが残った。

『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントンもこう述べている。

考えすぎる人は、今心配している問題が解決すれば、すべての悩みは解消されると思い込んでいることが多い。(中略)だが、目の前の問題を解決しても、悩みはすべてなくなりはしない。すぐに別の心配の種が現れ、また考えすぎてしまう。
――『STOP OVERTHINKING』(P.18)より

 夜中の1時、スマホの画面を見つめながら、「もう寝なきゃ」と思いつつ、次の検索ワードを打ち込んでいる自分がいる。
 いつの間にか、調べることが目的になっていたのだ。

「三流」・「二流」・「一流」の違いとは?

 問題は、私が「真剣に向き合っている」と思っていたことだ。
 健康について調べることはもちろん必要だし、保険についても考えなければならない。
 それ自体は正しい。
 でも、本書が指摘するように、私がやっていたのは「問題解決」ではなく、ただの「考えすぎ」だった。

 受けていなかった自分を棚に上げて言うのもなんだが、やはり定期検診は大事だ。
 ただ、受けるまでの間に「考えすぎ」で自分を追い詰めるのはよくない。

 本当に必要なのは、「考える」と「考えすぎる」を切り分けること。
 調べたところでどうにもならないことは、そもそも調べない。
 必要な情報収集は15分だけと決めて、それ以上は翌日に回す。
 そして何より、行動に移せることがあるなら、思考よりも先に動く。
 私の場合、それは検索ではなく、検診の予約を入れて、「考えすぎ」をやめることだった。

 三流は「不安を調べ続ける」。二流は「理由を探してから動く」。
 だが、それでは一向に不安は減らない。
 そこで一流は「行動で不安を鎮める」。
 安心は頭の中ではなく、動いた先にある。

 先日、5年ぶりの検診に行ってきた。
 あとは結果を待つだけだ。
 それまでの間に私がすべきことは、不安に振り回されず、きちんと眠ることだと気づいた。
 それに気づけただけでも、本書を読んでよかった。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)