“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【危険】「最悪のシナリオ」を言い訳にする人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

ひどく落ち着かない友人の話

 先日、友人がひどく落ち着かない様子だった。
 聞けば、「今日が振込期限なのに代金がまだ入っていない」とのこと。
 時計を見ると、まだ午前11時。

「これからじゃない?」と言っても納得せず、
「もしかして役所に債権を差し押さえられたのかも」

 なんて言い出した。
 どうしてそんな考えになるのか、私は言葉を失った。

 実は、彼には税金の滞納で口座を差し押さえられた過去があり、未納状態は現在も続いているという。

 だから、取引先からの振込が遅れただけで、その悪夢が再び起きるのではないかと思い込んでしまうのだ。

 私が止めるのも聞かず、取引先や役所に次々電話をかける。
 役所からは「こちらは関与していない」との返答で、むしろ来所を促される始末。

 だが、役所が動いていないとわかった時点で落ち着きを取り戻した。
 そして、別れてから2時間後、「単なる先方の対応漏れだった」と連絡がきた。

世界的ベストセラーの教え

 この秋、日本で話題となっている全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

考えすぎが常態化すると、体内にはコルチゾールなどのストレスホルモンが大量に分泌される。するとイライラが募り、さらに考えすぎ、ストレスが増し、自分自身や人生に対してネガティブな気分になってしまう。
――『STOP OVERTHINKING』(P.44)より

 彼は普段から、常に見えない何かから逃げているように見える。
 取引先とは長く続かず、会社もすぐにつくり直そうとする。
 信頼関係を構築するのも、会社をつくるのも、それなりの労力がかかる。

 それでも同じことを繰り返してしまうのは、本書が指摘するように、破局的思考にとらわれ、自分の意志で動く力を失っているからだ。

「最悪のシナリオ」を言い訳にする人の特徴とは?

 今ではマシになったが、私も同じように考えが飛躍することがある。
 最悪のシナリオを想定するのは、一種の保険みたいなもので、あらかじめ想定しておけば、起きたときのダメージが少なくてすむ。

 破局的思考は、過去の痛い経験を未来にコピーしてしまう脳のクセだ。
 一度失敗したことが、次も必ず起きると信じ込む。
 その結果、行動する前から最悪の結末を想定して、動けなくなる。

 メールを送る前に「変に思われたらどうしよう」、会議で発言しようとして「反論されたらどうしよう」と口を閉ざす。

 でも、ここで立ち止まって「これは現実か? 心の習慣か?」と問い直せば、状況は変わる。すると、エネルギーを不安に奪われず、必要な行動に使える。

 友人には申し訳ないけど、とりあえず滞納だけはしないことを強くお勧めしたい。
 そうすれば、差し押さえられたなんて思考は出てきようがないのだから。
 本書は常に不安に襲われている人に有効な武器をくれると思った。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)