すぐ論破してくる人の「お金がないと不安ですよね?」という煽りに対して言い返したい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

すぐ論破してくる人の「お金がないと不安ですよね?」という煽りに対して言い返したい一言とは?※イメージモデル:ひろゆき氏 (撮影/榊智朗)

「お金がないと不安ですよね?」と
言われた瞬間、心が揺れる理由

「お金がないと不安ですよね?」

 この一言に、ドキッとする人は多いはずです。
 論破系の人がよく使うこのセリフには、心理的な罠があります。

 たしかに、お金は生活の基盤です。

 しかし、そう言われた瞬間に、「そうだ、貯めなきゃ」「もっと稼がなきゃ」と思ってしまうのは、相手の土俵に乗ってしまうことでもあります

 自分の幸福や安心を、いつのまにか「金額」で測るようになってしまうからです。

 不安になるのは、「足りない」と思い込まされるから
 論破されているのではなく、「不足感」を刺激されているだけなのです。

「不安の正体」はどこにある?

『世界の果てのカフェ』には、そんな不安を見事に解きほぐす一節があります。

残念ながら、(お金を貯めてモノを)買えば買うほど、支払いも増えるわ。
だから、支払いのためにますます仕事に費やす時間が増える。
仕事に費やす時間は、私たちが人生に望む過ごし方ではないから、さらに満たされない気持ちになる。なぜなら、やりたいことをする時間がさらに減ってしまうからよ

――『世界の果てのカフェ』(第16章)より

 この言葉は、まさに「お金がないと不安」という感情への静かな反論です

 お金を得ても支出が増えれば、結局は時間を失う。
 やりたいことをする時間が減れば、満足感も失われる。

 つまり、安心とは「お金を得ること」ではなく、「時間と心の自由を守ること」なのです。

不安を減らす「最適の方法」とは?

 論破に勝とうとするよりも、「自分の軸を取り戻す」ことが先です
 お金を使って不安を解消しようとするほど、さらに不安は大きくなります。
 むしろ、「これ以上は要らない」と決めることが、最も強い選択です

『世界の果てのカフェ』の登場人物は、物質的な豊かさよりも、心の余白や自然の時間を大切にしています。
 彼らのように、「買わない勇気」を持てたとき、論破など必要なくなるのです。

不安から自由になるために

「お金がないと不安ですよね?」と誰かに言われたら、こう返しましょう。

「買えば買うほど、満たされなくなることもあるんですよ」

 そう言って、静かに微笑む。
 それは反論ではなく、自分の生き方の表明です。

 不安は、他人の価値基準から生まれるもの。
 だからこそ、自分の時間と心を守ることが、最高の反論になるのです

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)