「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの小川晶子氏に、「本当に議論を戦わせるべき時」についてご寄稿いただいた。企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【イラっとしたとき】三流はブチギレる、二流は論破する、では一流は?Photo: Adobe Stock

「はい、論破!」に
イラっとする

 小中学生の保護者に「子どもの気になる言葉」についてアンケートを取った際、「うざい」「きもい」などの言葉のほかに「子どもに論破されて腹が立つ」という親御さんが一定数いることがわかった。

 おそらく、本当に議論をして論破されたわけではなく、「はい、論破」という子どもの態度に腹を立てているのだろう。何より、ショックなのだ。

 悲しいかなありありと想像できる。小学校高学年くらいから口が達者になってきたわが子に、言葉で言い負かされたかたちになって傷つき悲しんでいる親御さんたちの姿が。5年生の息子を持つ私にとって、明日は我が身だ。

 もちろんこれは、子どもがそれだけ論理的に話を組み立てられるようになっている証でもある。

「成長したなぁ」と感激しつつ「論破されてあげる」というのも、悪いことではないだろう。一枚上手の振る舞いだ。

 とはいえ、「人を論破してやろうという態度はどうかと思うよ」とは伝えたい。相手を言い負かせば一瞬は気分がいいかもしれないが、相手からは良く思われず、結果的に失うものが多くなることもある。

一流は「だまされてあげる」

『人生は「気分」が10割』の中には、「論破するより、だまされてあげる」という項目がある。

 ちょっとおかしなところがあってもスルーしてあげる。ウソだと見抜いていても、だまされたフリをしてあげる。

 指摘したり正論で追い詰めたりすれば、相手が恥ずかしい思いをしてひどく傷つくかもしれないし、関係が悪くなるかもしれない。

 だから、こういう一枚上手な振る舞いが必要なときもあるということだ。

 特に、相手が今後もずっと付き合って行く人である場合はよく考えよう。相手を論破してほんの一瞬の快感を得るなんて行動は、目先のことしか見えていない人間のやることだ。
 疲れるのは自分のほうで、ケンカしてイヤな気持ちのまま一日を過ごすことになるのなら、ちょっとくらいがまんして目をつぶってやるほうがマシだ。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.159)

 ただし、と続く。

 ただし、何度も見逃してやってはダメ。相手が味をしめて調子に乗るようなら口論になっても致し方なし。きちんと指摘し、意見を戦わせることも必要だ。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.159)

 こちらも頭の片隅に置いておきたい。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。