頭の悪い人は「論破」する。じゃあ、頭のいい戦略とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「自分は自分、他人は他人」というゆるさ
二極化が進む世界では、他人に自分の正しさを押しつけたり、「これが唯一絶対の真実だ」と主張したりすれば、多くの人との摩擦や対立を生み出します。
そして、それに対応するだけで膨大な時間とエネルギーが奪われてしまいます。
たとえ、論争を通じて相手を「論破」し、一時的に優越感を得たとしても、得られるものは乏しく、対立の禍根だけが残ります。
結局、自らの活動の足場を失い、社会での立ち回りが難しくなるだけなのです。
だからこそ、「ゆるストイック」なのです。
「押しつける」は、よくない
このような状況では、「自分は自分、他人は他人」という寛容さを持って世界と関わり、黙々と自分のやるべきことに没頭する姿勢が重要になります。
自分の活動に集中し、他人の主義や思想に干渉しないことで、無益な論争に消耗されることがなくなります。
そもそも、人生の目的は、「自分の正しさを証明して多くの人を屈服させること」ではないはずです。
自分は自分、他人は他人
今の時代では、人々は無益な論争や対立にうんざりしており、淡々と自己の目標に集中し、結果を出し続ける人に自然とチャンスが巡ってきます。
井上尚弥選手、大谷翔平選手、藤井聡太竜王・名人といった人々を見れば、その姿勢が一目瞭然です。
彼らは決して自分の考えやスタイルを世の中の「正しさ」として押し付けたり、他人と論争することに時間を費やしていません。
彼らは、ただ自分自身の目標に向かい真っ直ぐに取り組んでおり、「自分は自分、他人は他人」を徹底しています。それこそが、頭のいい戦略なのです。
もし質問されれば答えますが、それが万人にとっての正しい道であるようには語りません。
今の時代で必要とされる姿勢
「ゆるストイック」なスタイルは、他人との考え方や思想の違いに過度に反応せず、他人を「論破」しようとせずに、自分の人生の時間を自分のために使うというものです。
他人の姿勢や意見に対しては「ゆるく」構える。
自分の目標に対しては徹底的に「ストイック」である。
その2つを併せ持つことが、今の時代で必要とされる姿勢です。
こうした「ゆるストイック」な生き方は、混沌とした現代社会で活躍し続けるための有効なスタイルです。
他人の意見や価値観を必要以上に気にせず、自分のやるべきことに集中する。
このスタイルこそが、周囲に流されず、自分の人生を豊かにしていくのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。