 写真はイメージです Photo:PIXTA
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「米国の著名大学を卒業したはずなのに、英語の受け答えができない、英語のレポートが書けない」……昨年、香港のトップ大学で、次々とニセ学歴問題が発覚した。被害を受けた大学は一つではなく、世界ランキング上位の複数の名門大学が震撼し、有罪判決も出る事態になっている。そして、この問題は日本とも無関係ではない。ニセ学歴が発見されて処分を受けたのは、中国出身学生ばかりだったからだ。どうやら背景には組織的エージェントが暗躍しているらしい。(フリーランスライター ふるまいよしこ)
今年の入学申請書類からも、虚偽書類の申請を数百件発見
10月中旬、香港のトップ大学の一つ、香港中文大学が、9月から始まった新学期に新たに900人余りの非香港出身学生を受け入れたことを明らかにした。しかし、それと同時に、各地から寄せられた入学申請書類から、虚偽と思われる学歴書類を数百件発見したと発表した。
これを受けて香港メディアがその他の大学に問い合わせたところ、少なくとも5つの大学が同様に虚偽と思われる学歴書類を発見したと回答した。このうち香港中文大学と並んで香港を代表するトップ大学の香港大学では数百件、その他大学でもその数は2ケタに達したことが分かった。
先ごろ、東京大学でも留学生の多さが大きな話題になったが、香港の大学でも年々留学生受け入れが増え続けている。昨年度(2024年入学)の学士生(本科生)だけをみても、香港大学が30.1%、香港理工大学で28.6%、サイエンステクノロジー大学で25.8%……と5大学で20%を超え、全体平均で23.2%に達した。
「外国人留学生の主体は中国人」と中国メディアも認めている
そんな学生の多くが中国から、いや中国の経済メディア「財新網」ですらはっきりと「中国出身者が『主体』」と伝えている。ここ数年、その他東南アジアや南アジアの学生も増え、香港中文大学でも世界105ヵ国からの入学申し込みがあったと関係者は語りつつ、それでも中国出身者の基数は比べものにならないほど多いと認めている。
つまり、どの大学もその詳細を語ろうとしないものの、それらのニセ学歴(と思われる、以下同)書類の多くは、中国人申請者が提出したものだと考えて間違いはないだろう。







