イスラエル軍はガザ内部の停戦ライン沿いに陣地を構築しており、要塞(ようさい)を強化しインフラも整備している。ガザが二つの地域に分断される状況が一層進んでいる。同国軍は28日、停戦合意に基づく撤退の境界線「イエローライン」を報道陣に初めて公開した。この境界線は今月の停戦発効以来、イスラエルとハマス支配地域を分けている。トランプ米政権の和平案の下でガザをほぼ半分に分けるこのライン沿い全体で、イスラエルは既存の前哨基地に兵力を配置。新たな基地も建設し、部隊と戦車は有刺鉄線と砂の土塁に囲まれている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材班が訪問した前哨基地は、現在平地と化したシュジャイヤ地区を見下ろす高台にあり、前哨基地と廃虚の間には、有刺鉄線が張られている約2階建ての高さの土塁がそびえ立っていた。その下には車2台分の幅の砂の道路が走り、廃虚に近い側にはより低い土塁が設けられ、上空ではドローン(無人機)が飛行していた。