中高一貫校写真はイメージです Photo:PIXTA

中学受験ブームが過熱する中、多くの学校が教育改革や情報発信に積極的だ。「わが子にはどの学校があうのか……」悩む親も多いことだろう。中高一貫校の実情に詳しい人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が、今注目すべき学校についてその理由や魅力を解説する。今回は「私立男子校」編。難関校から、“狙い目”の中堅校まで、注目ポイントを見ていこう。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

人気の難関校から狙い目の学校まで
私立男子校おすすめ4校を解説!

 前回は注目の私立共学校について紹介してきました。今回は、注目の「男子校」とその魅力を解説していきたいと思います。共学か別学かを検討する上では、本連載第27回『【中学受験】“共学全盛”の時代に男子校・女子校が選ばれ続ける納得のワケ』の内容もぜひ参考にしてみてください。

麻布中学校・高等学校
モラトリアムを満喫できる自由な校風

 麻布といえば誰もが知る御三家の一角。自由な校風で知られる名門校ですが、最近は偏差値がやや下がっています。以前に比べてやや入りやすくなってきており、上位校の中では狙い目の学校となっています。

 ただ、世間でいわれているほどレベルが下がったというわけではありません。難関校としての地位は変わらないものの、以前より間口が広がったということで、この校風に強く惹かれる人たちにとってはチャンスと言えるでしょう。

 志願者数が減少傾向にある背景には、自由を重んじる校風が、一部のコスパ・タイパ重視の現代の保護者から敬遠されたということがあります。学校以外に塾に通わなくても、宿題や補習などの管理をしっかりしてほしいという親が増えている中、麻布はそうした面倒見の良さを売りにはしていません。小学校から塾に通わせ、高い授業料を払っているのに、学習面のサポートがないのでは私立に入れる意味がないと感じる保護者もいるようです。

 しかし、自分の頭で物を考えなければならない今の時代において、学校に勉強や将来のことをとやかく言われず、中高6年間を「モラトリアム」として過ごせる自由な校風は、自分が何をしたいかを見つけるのに最適な環境ともいえるでしょう。