【中学受験】“共学全盛”の時代に男子校・女子校が選ばれ続ける納得のワケ写真はイメージです Photo:PIXTA 

「共学がいいのか、別学がいいのか」――子どもの進学を考えるとき、多くの保護者が立ち止まる問いだ。社会性を早く育てたいのか、それとも安心した環境で個性を伸ばしたいのか。選択の正解は一つではなく、家庭の価値観や子どもの特性に左右される。迷った時に参考にしたい学校選びの本質を扱う連載第27回。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

共学全盛でも「男子校・女子校」が支持される理由

 今、世間の学校では「共学化の波」が来ています。多様性の重要性が語られ、男女がともに社会で働く時代になったことで、教育現場でも共学を選ぶ傾向が強まっています。

 しかし、中高の6年間の過ごし方には、敢えて男子校、女子校を選ぶという「多様性」もあるはずです。

 小学校高学年の子どもたちを見ていると、男子校・女子校に入りたいという子が実際にいます。たとえば、異性が苦手だと思っていたり、異性にあまり近づかないことで、同性だけの濃密な6年間を過ごしたいと思ったりする。そういう子にとって、中高では異性がいない環境の方がいいと考えるのは自然なことです。また、中高6年間を、大人になってからの社会とは違う環境で育てたいという家庭も少なくないのは事実です。

 基本的に世の中の学校は共学が多いので、男子校や女子校という「別学」はそれだけでレアな存在であり、価値があるという見方もできます。

同じ学校で校舎を分けて学ぶ形態を男女別学ということもあるが、今回の記事では、あくまで男子校、女子校のことを別学と呼ぶ。