ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は30日、両国の貿易戦争を巡り、過去1年間で3度目となる休戦に合意した。この合意の成果と言えるのは、せいぜいさらなる経済的打撃が回避されたことぐらいだ。トランプ氏は今回の合意を「10点満点で12点だ」と自己評価したが、市場の低調な反応の方が実情を正確に示していた。今回の合意は、ほぼ今年5月時点の状態に立ち戻っただけだ。習近平氏は、最近発動したレアアースの輸出制限措置を解除して輸出を再開するが、その期間は1年間だけだ。つまり、中国が来年には再びレアアース市場の独占による影響力を行使できることを意味する。中国はまた、米国産大豆の輸入を再開する。中国はこれまで米国産大豆の輸入を事実上禁止しており、これによって打撃を受けた米国の農家が政府の救済策を求めていた。中国政府は、麻薬作用を持つフェンタニルの前駆体化学物質の国内生産を取り締まると約束したが、この約束には法的拘束力がなく、中国が順守する可能性は低い。