何を頼りにすればよいのか?
では、個人投資家は「絶対的な株価」がわからない中で、何を頼りにすればよいのでしょうか。
複雑なモデルが機能しづらい理由は、未来の「不確定な変数」を予測しようとするからです。個人投資家が第一歩として持つべきなのは、「未来予測」ではなく、今ある事実に基づいた「相対的なモノサシ」です。
1.個人投資家の武器「株価指標」
まず着目すべきは、「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」といった「株価指標」です。
これらは、企業の「稼ぐ力(純利益)」や「企業が持つ資産(純資産)」といった現在の確定した数値に対して、今の株価が割高か割安かを判断するための、最も基本的で強力なモノサシ。証券会社のウェブサイトなどで、誰でも簡単に見ることができます。
2.「絶対評価」ではなく「相対評価」で見る
これらの指標をどう使うかが重要です。PER(株価収益率):「利益」に対して株価が何倍か。低いほど割安とされる。PBR(株価純資産倍率):「純資産」に対して株価が何倍か。一般に1倍割れは割安とされる。
大切なのは、この数値単体で「安い!」と判断するのではなく、「比較」することです。
3.「過去」と「他社」と比べる
比較対象は主に2つです。その企業の「過去」:過去5年間の平均PERが15倍だったのに、今10倍なら「割安かもしれない」と仮説が立てられます。
「同業他社」:同じ業界のライバル企業の平均PBRが1.5倍なのに、その企業だけ0.8倍なら「何か理由があるか、あるいは割安か」と考えるキッカケになります。
複雑な計算式を覚える前に、まずはこの基本となる「PER」と「PBR」という2つのモノサシを使いこなし、「過去」や「他社」と比較するクセをつけること。それこそが、株価の「安い」「高い」を見極めるための、最も現実的で重要な第一歩となります。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











