投資で失敗しない人は知っている…個別株選びで最も大事な“あるコト”
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!
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初心者必見! 個別株選びの「2つの軸」
個別銘柄の選定方法については、特に投資初心者であれば次の要素を兼ね備えた会社を探すことが基本となります。
❷ただし、産業構造やビジネスモデルを自分なりに理解して、長期的に利益を持続的に生み出す可能性が高いと納得できる銘柄
「優良大型株」を効率的に見つける技術
❶の特性を持つ銘柄は、ネット証券のウェブサイトなどで利用できるスクリーニング(選別)機能で見つけることができます。
「大型株」とは、株式の時価総額や発行済み株式総数、資本金などが大きく、流動性が高い銘柄を指します。東京証券取引所(東証)では、TOPIXの構成銘柄のうち、時価総額と流動性の高い上位100銘柄を大型株としています。
ちなみに、大型株に次いで時価総額と流動性が高い上位400銘柄は「中型株」、それ以外を「小型株」と呼び、これらの分類に基づいて株価指数が算出されています。
「時間」を味方につける大型株投資
世間的な評判がよく、ビジネスモデルも理解しやすい大型株を選んで分散投資するのもいいでしょう。
優良企業であっても、しばらくの間株価が低いままになることはありますが、長期間投資を続けるならば、その点は大きな問題にはなりません。
「自分が納得できる」を見極める目
2つの軸のうち、特に重要なのが❷の「ビジネスモデルを理解し、納得できる」という点です。スクリーニングで数字上優良な企業(❶)を見つけても、自分がそのビジネスに共感できなければ、株価が一時的に下落した際に不安で手放してしまう(狼狽売り)可能性が高くなります。
まずは、あなたの日常生活で触れている製品やサービスを提供している会社に注目してみましょう。なぜその商品が選ばれているのか、他の会社にはない強みは何か(競争優位性)を考えることが、「納得感」につながる第一歩です。
スクリーニングで見るべき具体的な数値
「バランスのとれた」銘柄をスクリーニングする際、具体的にどのような指標に注目すればよいでしょうか。いくつか代表的な目安をご紹介します。
財務健全性:自己資本比率が40%以上あるか。借金に頼りすぎていないか、安定性を測ります。
割安性:PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が、市場平均や同業他社と比較して高すぎないか。
配当:配当利回りが高いか(例:3%以上など)。安定した株主還元を行っているか。
これらはあくまで目安ですが、こうした数字の裏付けを持って銘柄を見る癖をつけましょう。
なぜ「分散」が重要なのか?
優良な大型株であっても、「分散投資」が基本です。いくら優良企業でも、予期せぬ不祥事や急激な市場環境の変化によって株価が大きく下がるリスクはゼロではありません。
資金量によっても異なりますが、例えば5~10銘柄に分ける、あるいは異なる業種(セクター)の銘柄を組み合わせる(例:IT企業と食品会社など)ことで、特定の業界に何かあった際のリスクを和らげることができます。
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の鉄則です。
長期投資と「複利」の魔法
「時間を味方につける」最大のメリットは、「複利」の効果を享受できることです。
株を保有して得られる配当金を、さらに同じ株や他の優良株の購入に充てる(再投資する)ことで、利息が利息を生む「雪だるま式」の資産増加が期待できます。
短期的な株価の変動に一喜憂いせず、優れたビジネスモデルを持つ企業の成長を信じ、配当金を受け取りながらじっくりと資産を育てていく。これこそが、大型株投資の醍醐味であり、初心者が目指すべき王道と言えるでしょう。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











