スクリーニングは「宝探しの地図」…配当利回りより「総合バランス」を重視すべき理由
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トレーダーが教える】人気の「高配当株」投資に潜む“落とし穴”とは? 本当に見るべき指標Photo: Adobe Stock

スクリーニングで見るべき「4つの観点」

ネット証券のウェブサイトでは各社で充実したスクリーニング機能が備わっており、さまざまな観点から選別できて、とても便利です。

例えば、利益率(ROE〈自己資本利益率〉、営業利益率など)財務健全性(負債比率など)割安感(PER〈株価収益率〉、PBR〈株価純資産倍率=株価が1株当たりの純資産の何倍で取引されているかを示す指標〉など)配当利回りといった観点が代表例です。

「一点豪華」より「総合バランス」重視の選定術

これらの観点でスクリーニングして、どれかの指標でランキング1位になっている銘柄を買うのではなく、総合的にバランスよく上位にある大型株を選ぶことがポイントです。

私が著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)を執筆した時点で、ネット証券のスクリーニング機能を使い、大型優良株(PBR1.5倍以下、ROE6%以上、PER15倍以下、配当利回り3.5%以上の大型株)を検索したところ、ブリヂストン(5108)、日本製鉄(5401)、小松製作所(6301)、本田技研工業(7267)、SUBARU(7270)、豊田通商(8015)がリストアップされました。

このように自分の観点で重視したい指標をベースに、いろいろと銘柄をリストアップしてみるとよいでしょう。

高配当の「落とし穴」に注意

たった1つの指標ばかり重視するのでは偏りが出るので、それぞれの指標でバランスよく上位にある大型株を見ていくことがポイントです。

高配当株への投資はとても人気が高いですが、配当利回りの高さだけで選ぶのは、ときに落とし穴があります。

特に若い年齢層の個人投資家にとっては、税効率も悪いので避けたほうがいいと思います。