数字の裏側から“未来の勝ち馬”を読み解く最強の武器とは?
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!
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数字の先にある「成長性」を読む
株式の銘柄選びはスクリーニングだけで終わりではありません。それだけでは投資の醍醐味を味わい切れないので、スクリーニングした結果を「成長性」の観点から定性的に考えてみましょう。
「絶対」はない…大型株に潜む不確実性
大型株とはいえ、10年先、20年先まで盤石であるかといえば、それはわかりません。
例えば、トヨタ自動車はコロナ禍後に最高益を達成しましたが、電気自動車(EV)の開発の出遅れが指摘されています。また突如、なんらかの組織的欠陥や不正が明るみに出て、長期にわたり株価が低迷する可能性だってゼロではありません。
そもそも自動車業界はすでにマーケットが成熟しており、爆発的な需要増加は先進国では期待しにくい状況です。EVがトレンドと思いききや、売れ行きが足踏みすることもありました。輸送手段自体も今後変化する可能性がありますし、トレンドも大きく変わることがあるでしょう。
世の中の「大きな流れ」を掴み、勝ち馬を見極める
このように逐次業界のトレンドを調べて、自分の頭で考えながら大きな世間の流れとして合点がいく成長テーマやセクターをいくつか選んでいくことです。
そして投資を検討している企業が、そのテーマに乗っていくことで成長が続くのか、競争に勝てるのか、という視点で銘柄を選びましょう。
「成長シナリオ」は生きているか? 年に一度の“定期健診”
そして、少なくとも年に一度は、そういった長期での成長シナリオが崩れていないかを確認すべきです。
その際は、次のことをチェックするといいです。
❷強力な競合他社や技術革新が現れていないか
❸業界そのものが長期的な構造不況に陥るリスクがないか
分析の「武器」は無料で手に入る
大型株であれば、証券会社から投資先企業のレポートが多く出ていますし、会社のホームページを見れば有価証券報告書や決算説明資料、中期経営計画など各種資料が無料で入手できますから、比較的容易に内容を確認することができます。



