すぐ論破してくる人が「広告をなくすのに課金するのはバカですよね?」と言ってきたら、言い返したい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

すぐ論破してくる人が「広告をなくすのに課金するのはバカですよね?」と言ってきたら、言い返したい名言とは?※イメージモデル:ひろゆき氏 (撮影/榊智朗)

「広告を消すためにお金を払うなんて」と笑う人へ

 動画アプリやSNSで、「広告なしプラン:月額○○円」という表示を見るたびに、

「そんなのにお金を払う人、いるんですか?」

 と鼻で笑う人がいます。

 たしかに、数秒待てばスキップできる。
 無料で使えるなら、それで十分。そう考えるのは自然です。

 でも、本当に「無料」なのでしょうか?

 あなたの時間と集中力、そして思考は、すでに「支払っている」のかもしれません。
 広告は単なる情報ではなく、「あなたの心を動かすための仕掛け」だからです。

「幸福を買わせる」メッセージの正体

世界の果てのカフェ』という本では、広告の本質をこう描いています。

幸せや安心感に焦点を当てた内容の広告を見聞きしたことはある?
この商品があれば、あなたの人生はもっと良くなります』というメッセージが込められた……。

――『世界の果てのカフェ』(第15章)より

 私たちは、気づかないうちに「幸せの定義」を広告から受け取っています

「これを持てば」
「これを食べれば」
「これを着れば」
……。

 そこに潜むのは、幸福の提案ではなく、「不安の植え付け」です。

 さらに作中では、こう続きます。

たいていは、さりげなく仕込まれているの。
企業ははっきりとは言わない。
だけど、勘所がある人や、多くの広告制作に関わってきた人なら、見抜くことができる。
こういったメッセージの目的は、相手に、特定の商品やサービスを通じて満足感を得られると信じ込ませることなの。

たとえば、このメーカーの車を運転すれば、あなたの人生に意味が生まれる。
あの会社のアイスクリームを食べれば幸福感が得られる。
このブランドのダイヤモンドを所有すれば満足感が得られる……。

ここであなたに大切な話をするわね。
たとえさりげなくても、たいていは強力なメッセージが伝わるのよ
この商品を所有すればあなたは満たされる』に加えて、『これらを所有しなければあなたは満たされない』というメッセージが。

――『世界の果てのカフェ』(第15章)より

 広告とは、「あなたの中に不安をつくり出す装置」でもあるのです。
 つまり、広告を見ない自由とは、「心を奪われない自由」でもあるのです。

本当の幸せは、広告の外にある

 広告を消すために課金するということは、「自分の心を守るためにお金を払う」ということ。
 それは、消費を否定する行為ではなく、「自分の本当の幸福を取り戻すための投資」です。

 外から与えられる価値ではなく、自分の内側にある喜びや充実に気づく
 静かな時間を持ち、誰かに見せるためではなく、自分のために生きる

 それこそが、「広告を見えなくする」ことの本当の意味です。

広告を消して、自分の幸せと向き合おう

「広告を消すために課金するなんてバカ」と言う人に、こう返したい。

見えない自由のほうが、ずっと価値がある」と。

 幸せは「買うもの」ではなく、「感じるもの」だということ
 広告の音を少しだけ遠ざければ、本当に大切なものの声が聞こえてくるはずです。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)