ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が韓国で会談する直前、緊急の問題が浮上した。米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が次世代の人工知能(AI)向け半導体の対中販売で許可を求めたことについて、トランプ氏が習氏と協議したいと考えていた。現職および元政権高官らが明らかにした。エヌビディア製「ブラックウェル」半導体の対中輸出を許可することは、米国にとって大きな政策転換となり、地政学的な最大の競争相手である中国に技術面で促進剤を与える可能性がある。トランプ氏と頻繁に接触しているフアン氏は、中国市場へのアクセスを維持しようと粘り強くロビー活動を重ねてきた。米政権当局者らによると、首脳会談に向けて準備を進める中、マルコ・ルビオ国務長官を含む高官らはトランプ氏に対し、ブラックウェルの対中販売は国家安全保障を脅かすことになると伝えた。中国のAIデータセンターの能力を高め、米国に悪影響をもたらすと指摘したという。