日経平均は史上最高値を更新した。だが、10月以降、食料品の値上げが相次ぎ、その数、3000品目超。実質賃金は8か月連続で減少した(厚労省「毎月勤労統計」)。
そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦術書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』が日本上陸。世界14ヵ国以上で翻訳されたベストセラーは、6つの資産レベルにあわせた「富の階段」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦略書」だ。スコット・ギャロウェイ(お金の「哲学書」として話題の『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も「お金に対する考え方は、人生のステージによって変わる。あなたに必要なのは、この素晴らしい本を読むことだけだ」と絶賛する最新刊の一部を抜粋・編集し、特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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『JUST KEEP BUYING』で書けなかったこと
私が初の著書『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ダイヤモンド社)を書いたのは、
「どうすれば富を築けるのか?」
という単純かつ普遍的な疑問に答えるためだった。
目指したのは、背景や状況、目標に関係なく、誰にでも役立つ解決策を示すこと。
同書の最後を締めくくる「【巻末プレミアム】『ジャスト・キープ・バイイング』21の黄金ルール」の冒頭にも次のように書いた。
明日、あなたは過去100年間のある時点にタイムスリップし、現在の人生についての記憶はなく、未来がどうなるかも知らない状態で目を覚ます。ただし、従うべき経済的ルールを自分に課すことはできる。
資産を最大限に増やすために、あなたは自分に何を伝えるだろうか?
この質問に対する私の答えは、「ジャスト・キープ・バイイング(とにかく収益資産を買い続けなさい)」だった。
これは良い答えだったと今でも確信している。
しかし、このアプローチに限界があるのも事実だ。
なぜなら、パーソナル・ファイナンスをテーマにした書籍の多くがそうであるように、『JUST KEEP BUYING』が提示していたのは実用的ではあるものの、読者それぞれの個人的な状況に合わせたものではない、万人向けのソリューションだったからだ。
それは、一人ひとりの事情や、ファイナンスの目標を完全に考慮したものではなかった。
そこで私は考えた。
もし、それが可能だとしたら?
読者の現在のファイナンスの段階や、最終的な目標に合わせて最適な道筋を示す書籍があったとしたら?
このアプローチなら、読者それぞれにカスタマイズされた、富を築くための包括的なガイドを提供できるはずだ。本書はこうして生まれた。
『JUST KEEP BUYING』は実用的なアドバイスを提供しているが、欠けている点もある。
それは読者一人ひとりのパーソナル・ファイナンスの状況に合わせてフェーズが変わる、柔軟なフレームワークだ。そのギャップを埋めるのが本書である。
『JUST KEEP BUYING』は「戦術書」
『THE WEALTH LADDER』は「戦略書」
本書『THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』は、長期的な時間をかけて富を築く方法について考えるための革新的なフレームワークである。
他のパーソナル・ファイナンスの本と違い、本書は富を築くための唯一の解決策を示すのではなく、読者個人の資産形成の段階に合わせた実証済の戦略を提供する。
この本は、あなたの資産レベルが上がるたびに、何度でも読み返せるガイドになっている。
『JUST KEEP BUYING』が具体的な戦術(何に、いつ投資するか、それをどう実行するか)に焦点を当てているのに対し、『THE WEALTH LADDER』は一歩下がって全体を俯瞰し、大きな問いを投げかける「戦略書」だ。
「その投資は、今のあなたにとって正しい戦略なのか?」
日本人に欠落している
「お金の考え方」とは?
この本は、万人向けのアプローチではなく、様々な資産形成の戦略を、資産レベルに合わせて適応していく方法について、幅広い視点からアドバイスを提供する。
本書で触れているように、フィットネスコーチが太った一般人と鍛え抜かれたアスリートに対して異なるアドバイスをするのと同様、本書はあなたの資産レベルに合わせてアドバイスをカスタマイズしていく。
これが本書の核となる考え方だ。
私は、『JUST KEEP BUYING』の範囲を超えて富を築くための包括的な戦略フレームワークを求めていた。
その意味からすると、『JUST KEEP BUYING』は『THE WEALTH LADDER』の戦略の1つと位置づけられる。
「ジャスト・キープ・バイイング」は、あなたの資産形成の大半において正しいアプローチかもしれない(現在の私にとってもそうだ)。
だが、状況や目標が変われば、アプローチを変える必要がある。
日本人のみなさんはルールを守り礼儀正しい。だが、「お金に対する考え方」について「戦略的フレームワーク(富の階段:ウェルス・ラダー)」という視点を持っているだろうか。
私が見る限り、やや疑問が残る。
だが、今、日本でも様々な制度改革により、大きなチャンスが生まれている。
この絶好のチャンスを逃してはいけない。
ぜひ本書で「お金に対する考え方」を変えていただきたい。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段――資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』の一部を抜粋・編集して構成したものです)










