企業の借り手による一連の詐欺疑惑がウォール街全体に衝撃を与え、バンカーと投資家は今後の破綻を防ぐため奔走している。貸し手はデューデリジェンス(資産の精査)を強化し、企業に対しより長期間の財務データ提出を求めている。一部は融資を承諾する前により頻繁なチェックを可能にする条件を盛り込んでいる。銀行、投資運用、会計の大手が合同でタスクフォースを結成し、問題の本質と投資家保護策についてより深く検討する方針だ。これまでに発覚した不正行為は、自動車や通信などの業界の中小企業が関与するもので、市場や経済に広範な混乱は引き起こしていない。しかし地方銀行と、JPモルガン・チェースやブラックロックなどのウォール街大手の両方に影響をもたらし、相次ぐ不正発覚により、個々の事件を単発のものとして片付けることが難しくなっている。