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「俺、9月で65歳になるけどまだまだ元気だし、ずっとこの部署で働きたいんだけど大丈夫だよね?」昼休みの何気ない会話から始まった、ある再雇用社員の雇用をめぐるトラブル。定年後も再雇用で働き続けたAさんは、65歳以降も当然同じ職場で働けると考えていた。しかし会社側の答えは「NO」。2021年の法改正で、70歳までの就業機会確保が努力義務化された今、65歳以降の再雇用就業はどうなっているのだろうか?(社会保険労務士 木村政美)
<甲社概要>
都内にある食品製造・卸販売会社。従業員数400名。
<登場人物>
A:商品管理課所属で、Bの部下。60歳で定年後、再雇用社員として勤務。今年9月で65歳になった。
B:45歳。5年前製造課主任から商品管理課長に昇進した。
C:人事・総務部長(会社の人事部門の責任者)、50歳。
D:Aの同期で、入社時から商品管理課所属。定年後、再雇用社員として勤務し、今年6月で65歳になったが、7月以降も再雇用社員として1年契約を結んだ。
E:甲社の顧問社労士
都内にある食品製造・卸販売会社。従業員数400名。
<登場人物>
A:商品管理課所属で、Bの部下。60歳で定年後、再雇用社員として勤務。今年9月で65歳になった。
B:45歳。5年前製造課主任から商品管理課長に昇進した。
C:人事・総務部長(会社の人事部門の責任者)、50歳。
D:Aの同期で、入社時から商品管理課所属。定年後、再雇用社員として勤務し、今年6月で65歳になったが、7月以降も再雇用社員として1年契約を結んだ。
E:甲社の顧問社労士
元課長のA。65歳で再雇用も終わるが、この後どうする?
6月中旬の昼休み。昼食を終えたAは、B課長と休憩室で一緒にお茶を飲んでいた。その時Aが、唐突にB課長に尋ねた。
「そうそう……Bさん。俺、9月で65歳になるけどまだまだ元気だし、ずっとこの部署で働きたいんだけど。大丈夫だよね?」
「それは近々、C部長から説明がありますよ。人事権があるのは私じゃなくて、C部長ですから」
「でも、人事評価表を作るのは課長のBさんでしょ?私がここに残れるよう、ちゃんと書いてね。頼んだよ」
Aは大学卒業後、甲社に入社。最初の10年間は総務課、その後は商品管理課で勤務。定年時は課長職に就いていた。退職後は主任として、同じ部署で1年契約の再雇用社員として働き続けたのだが……。
Aが席を離れると、B課長は「はあーっ……」と深いため息をついた。







